当院は、カールストルツ・エンドスコピー社の耳内視鏡(Video Otoscope)を三重県で初めて導入しました。
実は、従来の手持ち耳鏡では、耳道内の観察が十分にできませんでした。申し訳ないことですが、ある程度盲目的な治療となっていたのです。耳内視鏡(ビデオオトスコープ)を使用することによって、耳道内が鮮明に観察でき、今まではほとんど観察できなかった鼓膜も容易に確認できます。したがって、ビデオオトスコープの登場は、今後の獣医耳科治療において大きな役割を果たすことが期待されるのです。

LED光源一体型のモニター:TELE PACK
LED光源一体型のモニター:TELE PACK
オトスコープ本体
オトスコープ本体

提供:KARL STORZ Endoscopy Japan

耳内視鏡(ビデオオトスコープ)は観察するだけの検査器具ではありません。操作をする穴があり、そこからカテーテルや鉗子(かんし)を挿入することで、耳道洗浄や異物、耳垢の除去が可能となります。つまり、検査と同時に治療を行うことができる機器です。
慢性の外耳炎では、通常の耳そうじや抗生物質の投与だけでは改善しないことが多く、もう治らないからとあきらめてしまっている例も少なくありません。私たち獣医師でも、これは慢性例だから…と半ばあきらめて治療しているケースもあるのです。
しかし、耳内視鏡(ビデオオトスコープ)を利用することにより、耳道内の状態や鼓膜の状態を正確に把握し、適切な治療を行うことで、いままでは治せなかった外耳炎に立ち向かうことができます。

ビデオオトスコープでの治療前の耳道
ビデオオトスコープでの治療前の耳道
治療後の耳道と鼓膜
治療後の耳道と鼓膜

実際のビデオスコープによる処置(動画)

ビデオオトスコープを用いた犬の耳垢除去
ビデオオトスコープを用いた
犬の耳垢除去後のきれいな耳道

ビデオオトスコープ検査・治療をご希望の方へ

ビデオオトスコープを利用する場合、例外はありますが「全身麻酔」が必要です。というのは、耳道や鼓膜は非常にデリケートで、少しの操作ミスでも出血をします。また、処置時間が長くなると、どうしても不快感を伴ったり、動物が怖がってしまうことがあります。したがって、正確かつ安全に処置をする為には、どうしても全身麻酔が必要となります。全身麻酔は、前もって健康状態をしっかりと評価すれば、とても安全に実施できます。不妊手術や歯石除去でも同じように全身麻酔をかけますので、それと同じだと思っていただければ幸いです。

ビデオオトスコープの適応

広く適応となります。対象動物は犬と猫です。

  1. 全身麻酔下での簡単な手術・処置と一緒に(ついでに耳も?セット)
    せっかく麻酔をかけるので、「ついでに耳も」は大歓迎です。全身麻酔代が割引になりますので、安価な費用でビデオオトスコープの処置を受けることができます。不妊・去勢手術、歯石除去、皮膚腫瘤切除など比較的簡単な手術や処置の場合に限定させて頂きます。
  2. 慢性外耳炎・難治性外耳炎
    当院では、経過の長い慢性外耳炎や、治療困難と言われている外耳炎に対して積極的に取り組みます。セカンドオピニオンも受けさせて頂きます。まずはカウンセリングにご来院頂き、ビデオオトスコープの適応を判断して、後日の検査となります。また、難治性のタイプでは、定期的にビデオオトスコープによる処置を続けなければならない場合も多く、治療には根気と熱意が必要なことをご理解ください。
  3. 普段から耳そうじをさせてくれない怖がりの犬や猫
    自宅での簡単なケアは、耳をキレイに保つためには必要なのですが、どうしても性格的に怖がりで難しい子がいます。とはいえ、そのまま仕方ないこととして放置すると、外耳炎は悪化していく可能性があります。
    鎮静をかけて耳そうじをするのであれば、ビデオオトスコープを使ってしっかりと処置をしてあげたいですね。

ビデオオトスコープは耳科治療の革命とも言われておりますが、まだ検査や治療は始まったばかりです。
当院は獣医耳科研究会(VEP)に参加し研鑽に努めております。他の獣医師とも連携しながら最新の治療をご提供できるように、これからも取り組みに励みます。

正確な費用の見積もりや処置内容は、診察をさせて頂いてから詳細をご説明いたします。
まずはお気軽にカウンセリングにご来院下さい。

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